商業簿記入門その27~前払金と前受金の仕訳処理(3級)

更新日:2019年3月24日
公開日:2017年10月1日

前払金と前受金の仕訳処理

前回、「商業簿記入門その26~未収入金と未払金の仕訳処理」では未収入金と未払金の仕訳処理について解説しました。

今回は前払金と前受金の仕訳処理について説明します。


前払金とは

前払金とは、会社がモノ・サービスの購入時に事前に支払う手付金(てつけきん)をいいます。

手付金とは、簡単にいえば「先払い」と同じことと覚えて差し支えありません。

モノ・サービスの購入取引に使用する勘定科目としては買掛金や未払金がありますが、買掛金や未払金は購入後に支払う場合(後払い)に使用するのに対して、前払金は購入前に支払う場合に使用します。

前払金の仕訳処理

前払金が増減する取引には、前払金勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手付金の支払前払金×××現金預金など×××
モノサービスなどの受け取り商品・仕入など×××前払金×××

【補足】前払金勘定の実務上の扱いについて
実務では、前払金勘定よりも前渡金(まえわたしきん、ぜんときんともいいます)勘定を使用するケースを多く見かけますが、使い方は同じです。

※ただし、日商簿記検定(3級)では前払金で回答するようにしましょう(問題に指示があれば、それに従います)。

また、後払いの場合には、営業活動に伴う取引は買掛金、営業活動以外であれば未払金と使い分けますが、先払いの場合にはどちらも前払金(前渡金)勘定を使用します。


前受金とは

前受金とは、会社がモノ・サービスを販売時に事前に受け取る手付金をいいます。

モノ・サービスの販売取引に使用する勘定科目としては売掛金や未収入金がありますが、売掛金や未収入金は販売後に代金を回収する場合に使用するのに対して、前受金は販売前に代金を受け取る場合に使用します。

前受金の仕訳処理

前受金が増減する取引には、前受金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手付金の受け取り現金預金など×××前受金×××
モノサービスなどの受け渡し前受金×××売上×××

仕訳例

1.A社はB社より商品を購入する契約を締結し、手付金50万円を小切手を振り出して支払った。
2.A社はC社へ商品を販売する契約を締結し、手付金80万円をC社振り出しの小切手で受け取った。
3.A社は、上記1.の商品をB社より受け取った(仕入勘定を使用すること)。
4.A社は、上記2.の商品をC社に引き渡した。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1前払金500,000当座預金500,000
2現金800,000前受金800,000
3仕入500,000前払金500,000
4前受金800,000売上800,000

※仕入勘定を使用した仕訳処理は、「商業簿記入門その47~3分法による商品売買取引の仕訳処理」にて解説しています。

まとめ

今回は前払金と前受け金の仕訳処理について解説しました。難しい論点はありません。反復演習で覚えましょう。


戻る | 次へ

一覧


【運営者情報・免責事項】





関連リンク

会計入門
~実務に役立つ会計の入門

決算書が読めるようになるサイト。「実務に役立つシリーズ」第1弾!!

原価計算入門
~簿記資格の学習を支援

衣服メーカーを例に分かりやすく解説。「実務に役立つシリーズ」第2弾!!

会計ヘッジ
将来リスクを回避するためのサイト

会計、簿記、経理、税務、起業など、トピックやトレンドも含め、様々な情報を配信

日商簿記検定の勉強におすすめの過去問題集

日商簿記検定だけでなく、どの資格試験でも過去問を解くことは有効な勉強方法です。日商簿記検定の過去問の入手方法は次の通り。(1)WEB(解答や分析・傾向のみ)・・・

日商簿記検定2級|次回の試験情報(出題論点など)

商工会議所サイトには改正論点のサンプル問題や出題範囲変更箇所が掲載されています。使用する勘定科目も変更するので、過去問の出題意図も含めて・・・

日商簿記検定2級の合格に必要な勉強時間とは

個々人によって勉強時間は異なるのは当然ですが、合格するのに必要とされる標準的な勉強時間を知らないと学習スケジュールを立てることができません。日商簿記検定2級は・・・

商業簿記入門その28~立替金と預り金の仕訳処理(3級)

立替金とは、会社が取引先や従業員の代わりに、一時的に支払いを立て替えた場合に発生する、取引先や従業員に対する債権を・・・

商業簿記入門その29~仮払金と仮受金の仕訳処理(3級)

仮払金とは、支払いの段階では確定した金額や使用目的が分からず、後にこれらが確定するような性質の支払いをいいます。仮払金は・・・

商業簿記入門その30~商品券と他店商品券の仕訳処理(3級)

商品券とは、現金の代わりに使用することができる、券面に記載された金額の商品と交換することができる権利を表す有価証券をいいます・・・

商業簿記入門その31~手形の種類と取り扱い(3級)

手形とは、手形法に基づいて発行される有価証券をいいます。商品の仕入れや販売時の代金支払、受取の手段として、現金預金、小切手・・・

商業簿記入門その32~受取手形と支払手形の仕訳処理(3級)

約束手形や為替手形といった種類に関係なく、商品販売の代金として受け取った手形を受取手形といい、商品仕入れの代金として・・・