商業簿記3級 前払金と前受金の仕訳処理

更新日:2019年11月13日
公開日:2017年10月1日

前回、「未収入金と未払金の仕訳処理」では未収入金と未払金の仕訳処理について解説しました。

今回は前払金と前受金の仕訳処理について説明します。

前払金とは

前払金とは、会社がモノ・サービスの購入時に事前に支払う手付金(てつけきん)をいいます。

手付金とは、簡単にいえば「先払い」と同じことと覚えて差し支えありません。

モノ・サービスの購入取引に使用する勘定科目としては買掛金や未払金がありますが、買掛金や未払金は購入後に支払う場合(後払い)に使用するのに対して、前払金は購入前に支払う場合に使用します。

前払金の仕訳処理

前払金が増減する取引には、前払金勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手付金の支払前払金×××現金預金など×××
モノサービスなどの受け取り商品・仕入など×××前払金×××

【補足】前払金勘定の実務上の扱いについて
実務では、前払金勘定よりも前渡金(まえわたしきん、ぜんときんともいいます)勘定を使用するケースを多く見かけますが、使い方は同じです。

※ただし、日商簿記検定(3級)では前払金で回答するようにしましょう(問題に指示があれば、それに従います)。

また、後払いの場合には、営業活動に伴う取引は買掛金、営業活動以外であれば未払金と使い分けますが、先払いの場合にはどちらも前払金(前渡金)勘定を使用します。

前受金とは

前受金とは、会社がモノ・サービスを販売時に事前に受け取る手付金をいいます。

モノ・サービスの販売取引に使用する勘定科目としては売掛金や未収入金がありますが、売掛金や未収入金は販売後に代金を回収する場合に使用するのに対して、前受金は販売前に代金を受け取る場合に使用します。

前受金の仕訳処理

前受金が増減する取引には、前受金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手付金の受け取り現金預金など×××前受金×××
モノサービスなどの受け渡し前受金×××売上×××

仕訳例

1.A社はB社より商品を購入する契約を締結し、手付金50万円を小切手を振り出して支払った。
2.A社はC社へ商品を販売する契約を締結し、手付金80万円をC社振り出しの小切手で受け取った。
3.A社は、上記1.の商品をB社より受け取った(仕入勘定を使用すること)。
4.A社は、上記2.の商品をC社に引き渡した。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1前払金500,000当座預金500,000
2現金800,000前受金800,000
3仕入500,000前払金500,000
4前受金800,000売上800,000

※仕入勘定を使用した仕訳処理は、「3分法による商品売買取引の仕訳処理」にて解説しています。

まとめ

今回は前払金と前受け金の仕訳処理について解説しました。難しい論点はありません。反復演習で覚えましょう。

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