前払金とは|仕訳例を示して分かりやすく解説(簿記3級)
記事最終更新日:2024年1月19日
記事公開日:2017年10月1日
「前払金」は仕入れ時の先払いを仕訳するための勘定科目です。簿記3級で学習しますが、テキストの最初の方で登場するため、理解するのに少しだけ時間を要する受験生が少なくないようです。
本記事では、簿記3級で出題される「前払金」の仕訳について、例を示して分かりやすく簡潔に解説します。
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仕訳例
<仕訳例>
1.商品100の仕入れに際して、事前に手付金として10 を小切手を振り出して支払った。
2.上記1.の商品を代理店を介して仕入れ、手付金を差し引いた残額は掛けとした。なお、代理店手数料5は直ちに普通預金から支払った。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 前払金 | 10 | 当座預金 | 10 |
2 | 仕入 | 105 | 前払金 | 10 |
買掛金 | 90 | |||
普通預金 | 5 |
<(補足)付随費用>
- ・商品の仕入れ時に発生した「運送業者へ支払う配送料金」「代理店に支払う支払手数料」などの「付随費用(仕入諸掛)」は、商品代金の額と一緒に「仕入」で仕訳します。
- ・貸方には「現金・預金」といった支払手段の勘定科目を記入します。
前払金とは
「前払金」とは、会社が商品仕入れの際に事前に支払う手付金(先払い)をいいます。
「前払金」は受取側の視点では「前受金」になります。
(補足)前渡金
経理実務においては、商品仕入れ前に支払った手付金を「前払金」ではなく「前渡金」で仕訳することが多いですが、簿記3級では「前払金」が出題されます。
勘定科目の属性
手付金として支払った「前払金」の金額だけ、将来の仕入れ時に支払う代金が少なくなるため、「前払金」は「会社財産」といえることから、「資産に属する勘定科目」に分類されます。
従って、「前払金」が増加した場合には借方に記入し、減少した場合には貸方に記入します。
仕訳方法
手付金を支払った際には「前払金」が増加するため、「前払金」を借方に記入します。
その後、商品を仕入れた時に、「前払金」を貸方に記入し、商品代金との差額を「買掛金」や「現金・預金」などを使用して貸方に記入します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
手付金の支払 | 前払金 | ××× | 現金預金など | ××× |
商品の仕入 | 仕入 | ××× | 前払金 | ××× |
買掛金・現金・預金など | ××× |
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