前受金とは|仕訳の基本をシンプルに解説(簿記3級)
記事最終更新日:2024年1月20日
記事公開日:2021年8月8日
「前受金」は「売上」「売掛金」を学習し、覚えた勘定科目が増えてきて仕訳を理解できるようになる段階で学習しますが、少しだけ仕訳が複雑になります。
本記事では、簿記3級で学習する「前受金」について、仕訳例を示してシンプルに解説します。
仕訳例(補足付き)
<仕訳例>
1.得意先より商品100の注文が入り、販売前の手付金10 が当座預金に振り込まれた。
2.上記1.の商品を発送し、手付金を差し引いた残額は掛けとした。なお、発送手数料3は現金で支払った。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 現金 | 10 | 前受金 | 10 |
2 | 前受金 | 10 | 売上 | 100 |
売掛金 | 90 | |||
発送費 | 3 | 現金 | 3 |
<(補足)発送費>
- ・商品の販売時に当社が負担する送料(運賃)や手数料は「発送費(費用に属する勘定科目)」で仕訳します。
- ※商品を仕入れた場合には、「発送費」ではなく「付随費用(仕入諸掛)」として仕訳します。
前受金とは
「前受金」とは、会社が商品販売の際に事前に受け取る手付金をいいます。
支払側(仕入側)では「前払金」といいます。
勘定科目の属性
「前受金」は、「将来、商品を引き渡す義務」に該当することから、「負債に属する勘定科目」に分類されます。
従って、「取引の8要素」のうち、負債の仕訳に基づき、「前受金」の増加は貸方に記入し、減少は借方に記入します。
仕訳方法
商品販売の際に手付金を受け取った場合には、「前受金」の増加として貸方に記入するとともに、受け取った代金は「現金」「当座預金」「普通預金」などで借方に記入します。
その後、商品を販売した場合には「商品を引き渡した義務」を果たしたことになるため、「前受金」の減少として借方に記入し、貸方には「売上」を「商品代金の全額(手付金含む)」で記入します。そして、借方の「前受金」と貸方の「売上」との差額は、「売掛金・現金・預金」など、問題文から読み取って仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
手付金の受取 | 現金・預金 | ××× | 前受金 | ××× |
商品の販売 | 前受金 | ××× | 売上 | ××× |
売掛金など | ××× |
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