日商簿記3級、2級 貸付金・借入金の取引と仕訳

更新日:2020年12月28日
公開日:2017年10月1日

前回は信用会社(クレジットカード会社)との取引やクレジット売掛金の仕訳について解説しました。

今回は貸付金と借入金の取引と仕訳について説明します。

貸付金とは

貸付金(かしつけきん)とは、金銭を他の会社(若しくは人間)に貸し付けた場合に発生する、利息や貸し付けたお金を回収する権利(債権)のことをいいます。

貸付金の取引

他社(若しくは他者)に会社のお金を貸し付けるので慎重な手続が必要です。

そこで、会社法などの法律で貸付金の取引について条文を設けて規定しています。

例えば会社法では、取締役会を設置している会社が重要な(会社にとって多額な)金銭の貸付を行う場合には取締役会の決議が必要である旨を定めています。

上場企業や大企業であれば、取締役会決議でなくとも社内規定によって金額に応じて適切な役職者による決裁を定めます。

そして口頭ではなく、書面による金銭消費貸借契約を締結することが安全な取引としてあるべき手続といえます。

金銭消費貸借契約書には貸付の実行日と回収日、貸付元本の金額や利息の利率、利息の受取日などを定めます。

貸付金の仕訳

貸付金の増減に関する取引は「貸付金勘定(資産に属する勘定科目)」を用います。

利息の受け取りには、「受取利息勘定(収益に属する勘定科目)」で仕訳します。

なお、従業員に対する貸付の場合には「従業員貸付金勘定(資産に属する勘定科目)」で仕訳します。

長期貸付金、短期貸付金への振替の仕訳(日商簿記2級)

例えば、期中では貸付金勘定で仕訳し、決算修正仕訳で1件1件の貸付の期間を確認し、1年超であれば「長期貸付金勘定(資産に属する勘定科目)」、1年以内であれば「短期貸付金勘定(資産に属する勘定科目)」へ振り替えます。

貸付金の仕訳(まとめ)

以上をまとめると次の通り。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
金銭の貸付貸付金×××現金預金など×××
金銭の貸付(従業員)従業員貸付金×××現金預金など×××
利息の受け取り現金預金など×××受取利息×××
貸付金の回収現金預金など×××貸付金×××
貸付金の回収(従業員)現金預金など×××従業員貸付金×××
貸付金の振り替え短期貸付金×××貸付金×××
長期貸付金×××

借入金とは

借入金とは、金銭を他の会社(若しくは人間)から借り入れた場合に発生する、利息や借り入れたお金を返済する義務(債務)のことをいいます。

借入金の取引

大多数の会社が金融機関(銀行)からお金を借り入れています。貸付金と同様に慎重な手続が必要です。

会社法では、取締役会設置会社が重要な(会社にとって多額な)金銭を借り入れる場合には、取締役会の決議が必要である旨を定めています。

銀行から借り入れる場合には、書面による金銭消費貸借契約を締結します。金銭消費貸借契約書には、借入の実行日と返済日、貸付元本の金額や利息の利率、利払い日などを定めます(借入側になりますが、内容は貸付と同様です)。

借入金の仕訳

借入金の増減に関する取引は「借入金勘定(負債に属する勘定科目)」を用います。

利息の支払いには「支払利息勘定(費用に属する勘定科目)」で仕訳します。

長期借入金、短期借入金への振替の仕訳(日商簿記2級)

例えば期中では借入金勘定で仕訳し、決算修正仕訳で1件1件の借入の期間を確認し、1年超であれば「長期借入金勘定(負債に属する勘定科目)」、1年以内であれば「短期借入金勘定(負債に属する勘定科目)」へ振り替えます。

借入金の仕訳処理(まとめ)

以上をまとめると次の通り。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
金銭の借入現金預金など×××借入金×××
利息の支払い支払利息×××現金預金など×××
借入金の返済借入金×××現金預金など×××
借入金の振り替え借入金×××短期借入金×××
長期借入金×××

仕訳例

  • 1.A社はB社に対して50万円を貸し付けた(小切手を振り出してB社に渡した)。回収日は9か月後で、利率は年5%。利息は元本の回収とともに受け取る。
  • 2.A社はC銀行より200万円を借り入れた(当座預金に振り込まれた)。返済日は6か月後で、利率は年2%。利息は元本の返済時に支払う。
  • 3.上記1.の貸付の回収日が到来した。貸付元本と利息をB社振り出しの小切手で受け取った。
  • 4.上記2.の借入の返済日が到来した。借入元本と利息は当座預金より支払った。
  • 5.決算日になった。貸付金残高500万円のうち、1年以内に回収するものは200万円である。短期貸付金と長期貸付金に振り替える。
  • 5.決算日になった。借入金残高1,000万円のうち、1年以内に回収するものは300万円である。短期貸付金と長期貸付金に振り替える。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1貸付金500,000当座預金500,000
2当座預金2,000,000借入金2,000,000
3現金518,750貸付金500,000
受取利息18,750
4借入金2,000,000当座預金2,020,000
支払利息20,000
5短期貸付金2,000,000貸付金5,000,000
長期貸付金3,000,000
6借入金10,000,000短期借入金3,000,000
長期借入金7,000,000

【解説】利息の計算について

問題の指示では年率で出題されることがほとんどです。

利息の計算は、月数で按分して計算します(日数で按分するケースが出題される可能性もないわけではありません。問題の指示に従います)。

仕訳例3. 受取利息:貸付元本500,000円 × 年率5% × 9ヶ月 / 12ヶ月 = 18,750円
仕訳例4. 支払利息:借入元本2,000,000円 × 年率2% × 6ヶ月 / 12ヶ月 = 20,000円

まとめ

今回は貸付金・借入金の手続と仕訳について解説しました。利息計算でミスをしないように繰り返し問題を解いて計算に慣れましょう。

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