商業簿記入門その25~貸付金・借入金の手続と仕訳処理(3級)

更新日:2018年4月24日 公開日:2017年10月1日

貸付金・借入金の手続と仕訳処理

前回、「商業簿記入門その24~クレジット売掛金」では信用会社(クレジットカード会社)との取引やクレジット売掛金の仕訳処理について解説しました。

今回は貸付金と借入金の手続及び仕訳処理について説明します。


貸付金とは

貸付金とは、金銭を他の会社(若しくは人間)に貸し付けた場合に発生する、利息や貸し付けたお金を回収する権利(債権)のことをいいます。

貸付金の手続

他社(若しくは他者)に会社のお金を貸し付けるのですから、慎重な手続が必要です。

例えば、会社法では、取締役会を設置している会社では、重要な(会社にとって多額な)金銭の貸付を行う場合には、取締役会の決議が必要である旨を定めています(「金銭の貸付」は会社法362条4項1号 「重要な財産の処分及び譲受」の「財産の処分」に該当すると解されます)。

また、上場企業や大企業であれば、取締役会決議でなくとも、社内規定によって金額に応じて適切な役職者による決裁を定めます。

さらに口頭による金銭の貸付ではなく、書面による金銭消費貸借契約を締結することが安全な取引としてあるべき手続といえます。

金銭消費貸借契約書には、貸付の実行日と回収日、貸付元本の金額や利息の利率、利息の受取日などを定めます。

貸付金の仕訳処理

貸付金の増減に関する取引は貸付金勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

また、利息の受け取りには、受取利息勘定(収益に属する勘定科目)で仕訳します。

なお、従業員に対する貸付の場合には、従業員貸付金勘定(資産に属する勘定科目)で仕訳します。

取引の8分類(取引の8分類が分からない方は、「商業簿記入門その5~取引と仕訳」を参照)に基づき、次の通り、仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
金銭の貸付貸付金×××現金預金など×××
金銭の貸付(従業員)従業員貸付金×××現金預金など×××
利息の受け取り現金預金など×××受取利息×××
貸付金の回収現金預金など×××貸付金×××
貸付金の回収(従業員)現金預金など×××従業員貸付金×××

借入金とは

借入金とは、金銭を他の会社(若しくは人間)から借り入れた場合に発生する、利息や借り入れたお金を返済する義務(債務)のことをいいます。

借入金の手続

大多数の会社が金融機関(銀行)からお金を借り入れています。貸付金と同様に慎重な手続が必要です。

会社法では、取締役会設置会社では、重要な(会社にとって多額な)金銭を借り入れる場合には、取締役会の決議が必要である旨を定めています(会社法362条4項2号 「多額の借財」)。

銀行から借り入れる場合には、書面による金銭消費貸借契約を締結することになります。

金銭消費貸借契約書には、借入の実行日と返済日、貸付元本の金額や利息の利率、利払い日などを定めます(借入側になりますが、内容は貸付と同様です)。

借入金の仕訳処理

借入金の増減に関する取引は借入金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

また、利息の支払いには、支払利息勘定(費用に属する勘定科目)で仕訳します。

従って、取引の8分類(取引の8分類が分からない方は、「商業簿記入門その5~取引と仕訳」を参照)に基づき、次の通り、仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
金銭の借入現金預金など×××借入金×××
利息の支払い支払利息×××現金預金など×××
借入金の返済借入金×××現金預金など×××

仕訳例

1.A社はB社に対して50万円を貸し付けた(小切手を振り出してB社に渡した)。回収日は9か月後で、利率は年5%。利息は元本の回収とともに受け取る。
2.A社はC銀行より200万円を借り入れた(当座預金に振り込まれた)。返済日は6か月後で、利率は年2%。利息は元本の返済時に支払う。
3.上記1.の貸付の回収日が到来した。貸付元本と利息をB社振り出しの小切手で受け取った。
4.上記2.の借入の返済日が到来した。借入元本と利息は当座預金より支払った。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1貸付金500,000当座預金500,000
2当座預金2,000,000借入金2,000,000
3現金518,750貸付金500,000
受取利息18,750
4借入金2,000,000当座預金2,020,000
支払利息20,000

【解説】利息の計算について

問題の指示では年率で出題されることがほとんどです。

利息の計算は、月数で按分して計算します(日数で按分するケースが出題される可能性も全くないわけではありません。問題の指示に従います)。

No3. 受取利息:貸付元本500,000円 × 年率5% × 9か月 / 12か月 = 18,750円
No4. 支払利息:借入元本2,000,000円 × 年率2% × 6か月 / 12か月 = 20,000円

まとめ

今回は貸付金・借入金の手続と仕訳処理について解説しました。利息計算でミスをしないように繰り返し問題を解いて計算に慣れましょう。


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