商業簿記3級 仮払金と仮受金の仕訳処理

更新日:2019年9月11日
公開日:2017年10月29日

前回、「商業簿記入門その28~立替金と預り金の仕訳処理」では立替金と預り金の仕訳処理について解説しました。

今回は仮払金と仮受金の仕訳処理について説明します。

仮払金とは

仮払金とは、支払いの段階では確定した金額や使用目的が分からず、後にこれらが確定するような性質の支払いをいいます。

仮払金は、例えば従業員が出張する際の旅費交通費などが該当します。

出張に要する交通費や宿泊費などが出張前には確定していない場合、会社はこの従業員に対して概算(がいさん。「大体」という意味)の金額を渡します。

その後、出張から帰ってきた従業員は交通費や宿泊の明細を書類にして会計・経理に提出します。この時に金額が確定するので、概算で支払った金額との差額を従業員から返還を受けます(確定金額の方が概算で支払った金額より大きい場合には、差額を従業員に支払う)。これを精算(せいさん)といいます。

仮払金の仕訳処理

仮払金が増減する取引には、仮払金勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

具体的には、確定した金額や取引先が分からないような金銭の支払いを行った時に仮払金勘定を借方に記入します。そして、後に金額や取引先が確定した時に、仮払金勘定を貸し方に記入して、支払時の仕訳をきります。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仮払いの発生仮払金×××現金預金など×××
金額・取引先の確定
(仮払金 > 確定額)
旅費交通費など
費用科目
×××仮払金×××
現金預金など×××
金額・取引先の確定
(仮払金 < 確定額)
旅費交通費など
費用科目
×××仮払金×××
現金預金など×××

仮受金とは

仮受金とは、金額が確定していない場合や取引先が分からない金銭の受け取りをいいます。

仮受金の仕訳処理

仮受金が増減する取引には、仮受金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仮受金の受け取り現金預金など×××仮受金×××
金額・取引先の確定仮受金×××取引に応じた
勘定科目
×××

仕訳例

1.A社は、従業員甲の出張に際して、概算額10万円を現金で渡した。
2.上記1.の甲が出張から戻ってきた。精算の結果、旅費交通費の確定額は8万5千であった。残額は甲より現金で受け取った。
3.A社は取引が不明の金額5万円が普通預金に振り込まれていることを発見した。
4.上記3.の金額は、B社からの売掛金の回収額であることが判明した。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1仮払金100,000現金100,000
2旅費交通費85,000仮払金100,000
現金15,000
3普通預金50,000仮受金50,000
4仮受金50,000売掛金50,000

まとめ

今回は仮払金と仮受金の仕訳処理について解説しました。問題演習を沢山こなして仕訳パターンを覚えましょう。

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