商業簿記入門その28~立替金と預り金の仕訳処理(3級)

更新日:2019年3月24日
公開日:2017年10月29日

立替金と預り金の仕訳処理

前回、「商業簿記入門その27~前払金と前受金の仕訳処理」では前払金と前受金の仕訳処理について解説しました。

今回は立替金と預り金の仕訳処理について説明します。


立替金とは

立替金とは、取引先や従業員の代わりに、会社が一時的に支払いを立て替えた場合に発生する、取引先や従業員に対する債権をいいます。

取引先や従業員に代わって支払いを立て替えているので、将来的には、取引先や従業員から同額の金銭を受け取ります。

立替金は、例えば、「商品を販売した時の運賃は得意先が負担する」といった契約の場合において、こちらが運賃を支払った場合が該当します。

従業員に対する立替金は、通常の立替金とは区別して、「従業員立替金」として仕訳処理します。

立替金の仕訳処理

立替金が増減する取引には、立替金勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

また、従業員に対する立替金の増減取引の場合には、従業員立替金勘定(資産に属する勘定科目)にて仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
取引先の場合立替払いの発生立替金×××現金預金など×××
立替金の受け取り現金預金など×××立替金×××
従業員の場合立替払いの発生従業員立替金×××現金預金など×××
立替金の受け取り現金預金など×××立替金×××

預り金とは

預り金とは、取引先や従業員の金銭を、会社が一時的に金銭を預かった場合に発生する、取引先や従業員に対する債務をいいます。

預り金は、例えば、取引先や従業員から預かった(源泉)所得税や社会保険料などが挙げられます。

従業員からの預り金は、通常の預り金とは区別して、「従業員預り金」として仕訳処理します。

特に従業員から預かった所得税や社会保険料は、「所得税預り金」「社会保険料預り金」として取り扱います。

※源泉税や社会保険料について、詳細は「会計入門その15~未払法人税等と預り金」にて解説しています。

預り金の仕訳処理

預り金が増減する取引には、預り金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

また従業員からの預り金が増減する取引には、従業員預り金勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

さらに従業員からの預り金が所得税や社会保険料である場合には、所属税預り金勘定(負債に属する勘定科目)社会保険料預り金勘定(負債に属する勘定科目)にて仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
取引先の場合金銭の預かり現金預金など×××預り金×××
預り金の支払い預り金×××現金預金など×××
従業員の場合通常の預かり金銭の預かり現金預金など×××従業員預り金×××
預り金の支払い従業員預り金×××現金預金など×××
所得税の預かり金銭の預かり現金預金など×××所得税預り金×××
預り金の支払い所得税預り金×××現金預金など×××
社会保険料の預かり金銭の預かり現金預金など×××社会保険料預り金×××
預り金の支払い社会保険料預り金×××現金預金など×××

仕訳例

1.A社はB社へ商品30万円を販売し、代金は掛として来月回収することとした。その際に要した運賃(B社負担)15,000円はA社が現金で支払った。
2.A社は従業員甲の食事代3,000円を現金で立て替え払いをした。
3.A社は、上記1.と2.の立替払いした金銭をそれぞれB社と甲より現金で受け取った。
4.A社は従業員乙への給料25万円について、所得税1万円と社会保険料5万円を差し引いた金額を当座預金より支払った。
5.A社は、上記4.の預り金をそれぞれ税務署などに当座預金より納付した。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1売掛金300,000売上300,000
立替金15,000現金15,000
2従業員立替金3,000現金3,000
3現金18,000立替金15,000
従業員立替金3,000
4給料250,000当座預金190,000
所得税預り金10,000
社会保険料預り金50,000
5所得税預り金10,000当座預金60,000
社会保険料預り金50,000

※給料勘定の仕訳処理は「商業簿記入門その72~収益と費用その3(給料の仕訳処理)」にて解説しています。

まとめ

今回は立替金と預り金の仕訳処理について解説しました。給料支払の仕訳を中心に貸借仕訳の勘定科目を頭に入れていきましょう。


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